Interview
開業を目指す医師、地域住民、社会の役に立つ医療モール。その全国的な拡大のために
Profile
医療を支援する幅広い事業に惹かれ、大学の社会福祉学科から総合メディカル株式会社に入社した加賀 雅人さん。2023年1月現在は、医療モール開発部で開業を目指す医師や地域住民のために汗する日々です。さらに、リーダーとして自身の成果よりも後進の育成を重視。ドクターにも部下にも頼られる加賀さんの仕事論を聞きました。
医師の「実現したい医療」を知り、開業後の姿を形にするのがコンサルタントの仕事
加賀さんが所属する医療モール開発部は2016年に創設。総合メディカルの主要柱事業のひとつで、複数のクリニックと薬局が入った利便性の高い施設を手掛けることから、地域住民、開業医、さらには社会にも有益な「三方よし」の取り組みです。この医療モールを全国に増やしていくことが、部のメンバーにとって最大のミッションです。
加賀「私は開業支援チームにいます。たとえば、独立を目指す医師や病院の新設を考えている医療法人に物件をご紹介したり、高齢の院長と後継者のマッチングを行ったりしています。医療機関の立ち上げに特化したコンサルタントとして、いわば経営を軌道に乗せるためのお手伝いですね」
チームは10人で、加賀さんはリーダーとして3人の若手を育成。彼らが医師に会う際にはすべて同席し、自身は前面に出ず、より良い経験を積ませようと後方から見守ります。また「個よりもチーム」という思考の持ち主であり、自身よりも部下の数字を追うことに注力しているのです。
加賀「自らの主担当も含めると週に2、3回はドクターに会っています。開業前には院内研修もあるので毎日のように先生と顔を合わせます。多くが私よりも年上で、頭が切れる方々。経験を積んだ今だからこそ、彼らと同じ目線に立てる自分がいるのだと思います」
とはいえ、医師は多忙で、新たな病院やクリニックの完成形をイメージできていないことがほとんど。まずは各自の「実現したい医療」について、相談を通して追求してもらいます。
加賀「その後は一緒に、事業性を確認するため、事業計画を立て、物件探索を行いながら診療圏調査をもとに開業地の絞り込みを行います。こうして開業後の姿を具現化し、いくつもの検討材料を提示して、その中からベストを選んでいただくわけです」
そんな加賀さんが大切にしているのは「心のよりどころ」としてのあり方。開業間もない医師たちは給与に代わって自らのスキルや人柄で勝負することになり、その中で借入金返済やスタッフの給与、家賃などを抱えるため不安に陥りやすいといいます。
加賀「だからこそ、私はいつでも先生のそばにいて的確にアドバイスし、疑問や悩みを解消できるよう努めています。これまで何人ものドクターと心からのパートナーになってきたので、後輩たちにも同じ役割を担ってほしいのです」
加賀さん自身も上司や家族がよりどころであり、いろいろな人とつながることで仕事ができていると感じています。
加賀「私は開業支援チームにいます。たとえば、独立を目指す医師や病院の新設を考えている医療法人に物件をご紹介したり、高齢の院長と後継者のマッチングを行ったりしています。医療機関の立ち上げに特化したコンサルタントとして、いわば経営を軌道に乗せるためのお手伝いですね」
チームは10人で、加賀さんはリーダーとして3人の若手を育成。彼らが医師に会う際にはすべて同席し、自身は前面に出ず、より良い経験を積ませようと後方から見守ります。また「個よりもチーム」という思考の持ち主であり、自身よりも部下の数字を追うことに注力しているのです。
加賀「自らの主担当も含めると週に2、3回はドクターに会っています。開業前には院内研修もあるので毎日のように先生と顔を合わせます。多くが私よりも年上で、頭が切れる方々。経験を積んだ今だからこそ、彼らと同じ目線に立てる自分がいるのだと思います」
とはいえ、医師は多忙で、新たな病院やクリニックの完成形をイメージできていないことがほとんど。まずは各自の「実現したい医療」について、相談を通して追求してもらいます。
加賀「その後は一緒に、事業性を確認するため、事業計画を立て、物件探索を行いながら診療圏調査をもとに開業地の絞り込みを行います。こうして開業後の姿を具現化し、いくつもの検討材料を提示して、その中からベストを選んでいただくわけです」
そんな加賀さんが大切にしているのは「心のよりどころ」としてのあり方。開業間もない医師たちは給与に代わって自らのスキルや人柄で勝負することになり、その中で借入金返済やスタッフの給与、家賃などを抱えるため不安に陥りやすいといいます。
加賀「だからこそ、私はいつでも先生のそばにいて的確にアドバイスし、疑問や悩みを解消できるよう努めています。これまで何人ものドクターと心からのパートナーになってきたので、後輩たちにも同じ役割を担ってほしいのです」
加賀さん自身も上司や家族がよりどころであり、いろいろな人とつながることで仕事ができていると感じています。
入社を決めた最大の理由は、社名の通り“総合的に”医療と関われること
高校時代に生徒会でボランティア活動を経験し、誰かの役に立つことに魅力を感じて大学の社会福祉学科に進んだ加賀さん。就職活動では医療福祉に関連する企業を中心に回り、地元の福岡を拠点に全国展開している総合メディカルに興味を持ちました。
加賀「他社ではMR（Medical Representatives／医療情報担当者）で内定を頂きましたが、ひとつの領域だけでなく、複数の分野を切り口にして医療を支えられる点が総合メディカルに入社を決めた最大の理由です。また、コンセプトである『よい医療は、よい経営から』も心に響きましたね。学生時代は福祉分野に関心があり『地域ヘルスケアネットワークの構築』という言葉に共感し、総合メディカルなら、地域医療を根底から支えられる点も魅力でした。社名の通り、総合的に医療と関われることにおもしろみを感じたのです」
リーマンショック後の就職氷河期であり、大学の友人たちも内定が取れるかわからない状況での就職活動。当社から内定が出たことが、何よりも純粋に嬉しかったと語ります。
そして入社後は、およそ1カ月間の研修を経て埼玉オフィスに配属。担当エリア内の病院や診療所に足を運び、医療機器のリースを案内する他、経営コンサルティングや保険の見直し等を希望する病院や開業医に対して社内の専門スタッフをご紹介していました。
加賀「多くの商材を扱うとともに、ドクターや医療機関と社内コンサルタントの橋渡し役も務めていました。埼玉オフィスには5年にわたり在籍してきましたが、医療モール開発部の創部と同時に異動となりました。この間、ららぽーと富士見や川越駅前のクリニックの案件で開業支援に携わることができたので、そのような経験を買われての配属だったのかもしれません」
初めは知識も経験もなく、上司に頼ってばかりの日々でしたが、このふたつの案件を経験したことが開業支援コンサルタントへのキャリアチェンジのきっかけになりました。加賀さんはここからエキスパートとして頭角を現していきます。
加賀「他社ではMR（Medical Representatives／医療情報担当者）で内定を頂きましたが、ひとつの領域だけでなく、複数の分野を切り口にして医療を支えられる点が総合メディカルに入社を決めた最大の理由です。また、コンセプトである『よい医療は、よい経営から』も心に響きましたね。学生時代は福祉分野に関心があり『地域ヘルスケアネットワークの構築』という言葉に共感し、総合メディカルなら、地域医療を根底から支えられる点も魅力でした。社名の通り、総合的に医療と関われることにおもしろみを感じたのです」
リーマンショック後の就職氷河期であり、大学の友人たちも内定が取れるかわからない状況での就職活動。当社から内定が出たことが、何よりも純粋に嬉しかったと語ります。
そして入社後は、およそ1カ月間の研修を経て埼玉オフィスに配属。担当エリア内の病院や診療所に足を運び、医療機器のリースを案内する他、経営コンサルティングや保険の見直し等を希望する病院や開業医に対して社内の専門スタッフをご紹介していました。
加賀「多くの商材を扱うとともに、ドクターや医療機関と社内コンサルタントの橋渡し役も務めていました。埼玉オフィスには5年にわたり在籍してきましたが、医療モール開発部の創部と同時に異動となりました。この間、ららぽーと富士見や川越駅前のクリニックの案件で開業支援に携わることができたので、そのような経験を買われての配属だったのかもしれません」
初めは知識も経験もなく、上司に頼ってばかりの日々でしたが、このふたつの案件を経験したことが開業支援コンサルタントへのキャリアチェンジのきっかけになりました。加賀さんはここからエキスパートとして頭角を現していきます。
開業する医師が最も苦労する時期に支えになれることこそ、この仕事の醍醐味
ターニングポイントのひとつ、川越駅前のクリニックの案件では加賀さんが中心になって担当ドクターの開業場所を探すことになりました。専門はリウマチ内科。開業地探索が難航していた中、タイミング良く駅前にある循環器内科の診療所から継承の相談を受け、両者をつなぎ合わせることができたのです。
紹介後はまさに“怒涛”の2カ月間。契約書の取り交わし、スタッフの引継ぎ、内装の変更、機械の刷新など、いくつもの業務を遂行していきました。また、複数の業者を統率するのも大切な仕事です。歯車が合わず、ほころびが生じて医師に指摘されることもあり、信頼関係が崩れないよう細心の注意を払うことに最も苦心したといいます。
加賀「とくに川越駅前の案件は、事業継承までの時間が限られていて、しかも成すべきことが多かったですね。困難を乗り越えたからこそ、思い入れのある開業支援のひとつになりました。しかも最終的には当社の薬局も開設できることになり、まさに私の原点になったと思います」
その後はチーフになり、やがてリーダーに昇進。加賀さんが入社した当時のリーダーは、現在はシニアマネージャーや営業部長に就いています。
加賀「リーダーというポジションは若手からすると、相当な経験を積み、多くの責任を課された立場に映るかもしれません。私の入社当初にリーダーだった諸先輩方を思い出し『あの先輩方のように、後輩から頼られる存在にならなければ』と気を引き締めています」
開業支援コンサルタントの魅力は、独立する医師が最も苦労する時期を支える存在になれること。その後も長く頼られ、自らの存在価値をかみしめながら仕事に臨める点が魅力です。
加賀さん「期待と不安を併せ持つドクターに寄り添い『クリニックを構えられて本当に良かった』と思えるよう支援できる点が醍醐味です。担当した先生を訪ねると『おかげで軌道に乗れました』『そろそろ医療法人化する予定です』といわれることもあります。こうした言葉ですべてが報われますね」
紹介後はまさに“怒涛”の2カ月間。契約書の取り交わし、スタッフの引継ぎ、内装の変更、機械の刷新など、いくつもの業務を遂行していきました。また、複数の業者を統率するのも大切な仕事です。歯車が合わず、ほころびが生じて医師に指摘されることもあり、信頼関係が崩れないよう細心の注意を払うことに最も苦心したといいます。
加賀「とくに川越駅前の案件は、事業継承までの時間が限られていて、しかも成すべきことが多かったですね。困難を乗り越えたからこそ、思い入れのある開業支援のひとつになりました。しかも最終的には当社の薬局も開設できることになり、まさに私の原点になったと思います」
その後はチーフになり、やがてリーダーに昇進。加賀さんが入社した当時のリーダーは、現在はシニアマネージャーや営業部長に就いています。
加賀「リーダーというポジションは若手からすると、相当な経験を積み、多くの責任を課された立場に映るかもしれません。私の入社当初にリーダーだった諸先輩方を思い出し『あの先輩方のように、後輩から頼られる存在にならなければ』と気を引き締めています」
開業支援コンサルタントの魅力は、独立する医師が最も苦労する時期を支える存在になれること。その後も長く頼られ、自らの存在価値をかみしめながら仕事に臨める点が魅力です。
加賀さん「期待と不安を併せ持つドクターに寄り添い『クリニックを構えられて本当に良かった』と思えるよう支援できる点が醍醐味です。担当した先生を訪ねると『おかげで軌道に乗れました』『そろそろ医療法人化する予定です』といわれることもあります。こうした言葉ですべてが報われますね」
手掛ける事業の幅広さ──自身の伸びしろを見つけられるのも総合メディカルの魅力
当面の目標は、チームに所属する入社2年目、3年目の部下がそれぞれ単独で医師と信頼関係を構築できるよう育てること。いつまでも後ろから見守るわけにはいかないので、経験を積ませるサイクルを早めるためにも、より多くの案件獲得が必要だと考えています。
加賀「個人的には、いずれ当社の医療モールである『そうごうメディカルモール』のブランディングにも携わりたい。すでにロゴなどは存在しますが『総合メディカルだからこそ』『他社の施設とはここが違う』といった部分をもっと訴求していきたいですね。医療モールの開設を企画している企業はごまんといるので『開業を目指す先生に選ばれるには何が必要か』を追求する、そんなチャレンジに取り組みたいです」
また、自身の入社理由と同じく、総合メディカルは多くの事業を手掛けているからこそ、入社後の経験やスキルアップが他社とは異なるといいます。加賀さんは開業支援のプロフェッショナルですが「これから社内の他事業を担当することになってもプラスの経験を得られるとしか考えていません」とも話します。自らの伸びしろを期待して仕事に臨める点も総合メディカルの強みです。
加賀「開業支援コンサルタントに向いているのは、知識やスキルを次々と吸収できる方だと思います。OJTで学ぶ他、ホームページや予約システムを作る業者と話す機会もあり、彼らの説明をインプットして話せるようになると“武器”が増えていきます。ドクターに『何でも知っていて、さすがプロですね』といわれるのも喜びですね。私自身、税金や保険についても理解できるようになり、先生方にアウトプットして信頼につなげています」
こうした自身の経験を伝える3人の部下とは、移動中の電車内や医師との面談後のフィードバック時、2週間に1回のチームミーティングなどで交流を深めています。日常的な仕事上のコミュニケーションは濃く、加えてプライベートの話ができる機会も作っています。
部下たちは、新型コロナウイルスの影響で部署の歓迎会さえも開かれていない世代。加賀さんは、会社だけでなく仕事を離れた場所でも将来の夢を聞き、部下にとって心の“よりどころ”になることを目指している加賀さんの活躍から目が離せません。
加賀「個人的には、いずれ当社の医療モールである『そうごうメディカルモール』のブランディングにも携わりたい。すでにロゴなどは存在しますが『総合メディカルだからこそ』『他社の施設とはここが違う』といった部分をもっと訴求していきたいですね。医療モールの開設を企画している企業はごまんといるので『開業を目指す先生に選ばれるには何が必要か』を追求する、そんなチャレンジに取り組みたいです」
また、自身の入社理由と同じく、総合メディカルは多くの事業を手掛けているからこそ、入社後の経験やスキルアップが他社とは異なるといいます。加賀さんは開業支援のプロフェッショナルですが「これから社内の他事業を担当することになってもプラスの経験を得られるとしか考えていません」とも話します。自らの伸びしろを期待して仕事に臨める点も総合メディカルの強みです。
加賀「開業支援コンサルタントに向いているのは、知識やスキルを次々と吸収できる方だと思います。OJTで学ぶ他、ホームページや予約システムを作る業者と話す機会もあり、彼らの説明をインプットして話せるようになると“武器”が増えていきます。ドクターに『何でも知っていて、さすがプロですね』といわれるのも喜びですね。私自身、税金や保険についても理解できるようになり、先生方にアウトプットして信頼につなげています」
こうした自身の経験を伝える3人の部下とは、移動中の電車内や医師との面談後のフィードバック時、2週間に1回のチームミーティングなどで交流を深めています。日常的な仕事上のコミュニケーションは濃く、加えてプライベートの話ができる機会も作っています。
部下たちは、新型コロナウイルスの影響で部署の歓迎会さえも開かれていない世代。加賀さんは、会社だけでなく仕事を離れた場所でも将来の夢を聞き、部下にとって心の“よりどころ”になることを目指している加賀さんの活躍から目が離せません。
