MRから薬局薬剤師へ──新たな視点を身につけ、さらなるステップアップをめざす
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仕事で大切にしているコトバ「人との関わりを大切に!!」
薬局薬剤師としての一歩を踏み出し、多岐にわたる業務で豊かな経験を重ねる-
小林さんは現在、オフィスビルのメディカルセンターを主応需先とする薬局で薬剤師業務を担っています。8名の薬剤師と3名の薬局事務が在籍する同店では、メディカルセンターの7つの病院の患者さんが常に来店されています。
「すべての疾患を網羅しているのではないかと思うくらい、さまざまな疾患の患者さんを対応しています。今までのMRの業務とは大きく異なり、薬局薬剤師はさまざまな疾患の知識が必要なので、日々勉強が必要です。薬剤師として経験を積むにはとても学べる環境だと感じています。また、薬局薬剤師だから携われる仕事として在宅医療がありますが、現在は2件を担当しています」
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薬局に期待される機能として重要な在宅医療。総合メディカルでは、とくに質の高い在宅医療を提供できるような医薬連携が強みです。その中での薬剤師の役割は、単に薬を配達し副作用の有無や正しい服薬方法の確認、残薬の管理だけでなく、患者さんの生活背景を踏まえた服薬フォローが重要です。
「在宅医療の患者さんはとくに日常の生活フォローがあってこその薬物治療なので、その方の生活状況や食事内容などを正しく理解することが大切だと感じています。また、重篤な疾患を抱えている方が多く、介護を必要とするケースも少なくありません。そのため、医師やケアマネージャー、訪問看護師の方々と連携を取ることが大変重要です。この業務を通じて学ぶことはとても多いですね」
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小林さんは、総合メディカルへの転職前は製薬会社のMRとして6年間の経験を積んでいました。薬剤師としての転身に際して、異なる視点で医療に貢献することに対する戸惑いもあったと言います。
「MRは、医師に対して特定のお薬を提案する立場ですが、薬剤師は、医師からの処方にもとづいて、患者さんが安全かつ効果的に薬を使用できるよう、時に医師に提案しながら治療のフォローも行います。
同じ医療業界での転職とはいえ、まったく異なる業種への転身だったため、この半年間は新たな経験の連続。最初は考え方の違いに戸惑いも感じましたが、多くの患者さんとのふれあいを通じて徐々にやりがいを感じられています」
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MRをやり切ったという思いから、新たなキャリアへの転身を決意
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小林さんは、薬学部5年生の時の病院実習で、MRという職種に出会いました。
「薬学部への進学は、私が化学を得意だったことから高校の先生が勧めてくれたことがきっかけでした。大学生活を送る中で積極的なコミュニケーションが自分の強みだと感じていました。そんな時、病院実習中にMRの方とお話しする機会があり、業務内容を考えるとMRの職業は自分に合っていそうという確信が持てたのです」
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自身の強みを活かして、MRとして医療業界に良い薬を広めていけば、より広く医療に貢献できるのではないかと思ったと振り返ります。
「就職活動では、まずMRを第一志望としつつ、仮にMRとして就職がかなわなくても、薬剤師の資格を持って『人と関われる仕事』という軸で挑みました。なんとか希望通りに製薬会社に就職が決まり、卒業後は約6年間にわたってMRとして働きました」
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順調だったMRの業務を大きく揺るがしたのが、新型コロナウイルス感染症の流行です。感染症予防のために医療機関への訪問が制限され、これまでのような営業活動がほぼ不可能となってしまったのです。
「当時は、必死に訪問以外の営業方法を模索していましたが、MRでの仕事における『人と関われる仕事』の要素が徐々に失われていった感じがしました。自分としても、ここまでにできる限りのMRの仕事は一旦やり切ったのではないかという気持ちもあり、転職に踏み切るべく決意しました」
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コロナ禍の影響は大きく、小林さんが辞めた前後で職場の同僚も複数名が転職していったと言います。新たなキャリアに踏み出す際、小林さんは、自分の知識や経験を活かしつつも、新たな気持ちで戦える土俵を選ぼうと考えていました。
「対面のコミュニケーションは私の強みであり、MR業務のやりがいの一つでもありました。その強みを最大限に活かせる場所だと思ったのが、薬局薬剤師です。MRとは違い、患者さんから直接『ありがとう』という言葉を聞けるのが、自分のやりがいにつながると考えました。今度は個々の患者さんに寄り添い、一人ひとりに向き合う薬剤師としての役割に挑戦してみたいと思いました」
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総合メディカル独自の教育システム「GOES」
未経験という不安を払拭してくれたのが、総合メディカルの教育システムと周囲の協力-
実際に転職してみて、MRとの違いで焦りを感じたこともあったと小林さんは振り返ります。
「とくに感じたのは業務のスピード感です。MRの業務では、目標に対して自分で時間をマネジメントできましたが、薬局では患者さんの時間軸で動く必要があるため、来られた方の待ち時間を最小限に抑え、効率的に薬を提供することが求められます。
正直なところ最初は焦りを感じることもありました。とはいえ、患者さん一人ひとりとコミュニケーションがとれる環境は、自分がまさに求めていた環境なので、両立していきたいと思いました」 -
そんな調剤未経験の小林さんが、スムーズに業務に慣れやりがいをもって薬剤師として働けているのも、総合メディカルの人財育成制度のおかげと話します。
「転職活動をするにあたって、自分の知識面での不安は非常にありました。そのため、人財育成制度がしっかりしている会社を選ぼうと思ったんです」
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そんな小林さんが、転職活動中に出会った企業の中で、とくに魅力的な充実した教育システムを備えているのが総合メディカルでした。
「人財育成制度がしっかりとしているという話を聞いて、それなら勉強しながら仕事を覚えていけるのではと期待できました。また、福利厚生も充実しており、とくに家賃補助が手厚いことが大きな魅力でしたね。
前職ではMRとして一定の収入があったため、未経験からの転職に伴う給与の減少が最初はあるだろうと覚悟していましたが、そういった制度の充実により生活の維持に問題がなかったことは非常にありがたかったです」 -
さまざまな人財育成制度がある総合メディカルの研修の中でも、とくに役に立っているのが「GOES」というe-leaning教育システムだと小林さんは語ります。
「GOESは、自分のペースで順序だてて学べるというメリットがとても大きかったです。調剤未経験で転職した後、実際どこから勉強を始めたらいいか非常に戸惑います。GOESは、薬物治療の内容だけでなく、実務や法規の内容も幅広く学べる内容となっているため、薬局薬剤師が使う知識をスムーズに身につけることができましたし、空いている時間に自分のスマホで学べるのもとても便利でした。
また、服薬指導の際、わからないことがあれば周囲のスタッフに尋ねることもでき、丁寧に教えてもらえたので、悩むことはありませんでした」 -
MRと薬剤師には重要な共通点があると小林さんは語ります。それは、どちらも患者さんのために尽くすことが最終的なゴールであるという点です。
「MR時代は、採用された薬の量を数字で確認できたので、それを自分のモチベーションにしていました。今は在宅医療も含め直接、患者さんとお話しする機会が日々あるので、直接お礼をいただけることもあり、自分の業務が目の前の方の役に立っているという実感がダイレクトに得られるのがうれしいですね」
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学生向けの採用イベントに参加した小林さん
薬剤師としての専門性とMRとしての経験が、新たな未来の扉を開いていく-
学生向けの採用イベントに参加した小林さん
「多くの診療科の患者さんを対応してきたことで、確かな知識と経験が身についている手応えはあります。今では処方箋を見るだけで、その患者さんの持つ疾患について一定の予想ができるようになりました。
余裕が生まれるにつれ、その方の日常生活を考慮した薬のタイミングを選定するなど、プラスアルファの業務にも取り組めるようになっています。次に同じ患者さんが来店されたときに、きちんと薬が飲めていて元気なお姿を見ると、すごくうれしいですね」 -
どのように介入していけばいいのか、まだ試行錯誤の段階ですが、患者さんが生活を楽しむ一助になるようなアプローチをしていきたいと小林さんは考えています。
「『担当が小林で良かった』と言っていただけるように、全力でサポートを提供していきたいですね。私がお話を伺っている間、楽しく過ごしてもらえるよう頑張っていくつもりです」
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そして、総合メディカルに転職したからこその、新たな目標も見えてきました。
「総合メディカルは、調剤薬局の運営のほかにも、医療コンサルティングや医療機器のリースなどの多様な業務を担っています。そのため、薬剤師以外の職種も多いことが大きな特徴です。
たとえば、前職のMRと現在取り組んでいる薬剤師の双方の経験を兼ね備えれば、ドクターと患者さんのどちらの気持ちや立場を理解できるので、何らかの新たな戦力にもなれるかもしれない。今後、医療コンサルタントなど、新たな自分の強みを持てるかもしれないと考えています」 -
未知の領域への挑戦が小林さんの視野を広げ、新たなキャリアパスも見え始めました。薬剤師としての専門性とMRとしての経験を融合させることで、より細やかな医療への貢献が生まれることが期待されています。
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