入社4年目の学術発表会で最優秀賞を受賞。大きな成果を手にすることができた理由とは

Minato Natsuko
2019年入社 #学術発表 #最優秀賞 #店舗で協力

2019年新卒として総合メディカル株式会社に入社、そうごう薬局 新倉敷店に勤務する湊 菜月子さん。薬剤師として患者さんに向き合うかたわら、店舗での取り組みをまとめた学術発表に挑戦。社内の賞のみならず「日本薬局学会学術総会」にて最優秀賞を受賞しました。発表で得た学びや今後の展望などを、湊さんに聞きました。

  • 薬剤師として、患者さんの暮らしに寄り添える存在でありたい

    • 総合メディカルに新卒で入社して以来、薬剤師として毎日多くの患者さんとふれあう湊さん。店舗での対面業務に加え、2年目からは、患者さんのご自宅に伺う在宅訪問も担当しています。

      湊 「学生のころから、地域にお住まいの患者さんに寄り添いたいとの想いがありました。たとえば、高齢の患者さんが少しでも過ごしやすい環境作りをお手伝いするなど、患者さんの毎日の生活に寄り添える薬剤師になりたいと思っています」

    • 薬剤師の在宅訪問に興味を持つようになったきっかけの一つには、就職活動時に受け取った総合メディカルの社内報に載っていた、在宅訪問を専門で担当する専門薬剤師の岡野さんの存在があると言います。実はその岡野さんも、湊さんと同じ新倉敷店に在籍しています。

      湊 「薬剤師としてこういう働き方もあるんだ、ということを知って憧れました。そうして目標にさせてもらった岡野さんと、今、同じ店舗で働けていることが嬉しいですね」

    • 薬の専門家としてだけでなく、できるかぎり患者さん一人ひとりに寄り添い、その人の生活そのものを支えるお手伝いができればという想いが湊さんには強くあります。

      湊 「もともと、自分の家族に医療関係者が多かったため、自然と医療業界をめざすようになりました。その中でも薬剤師を選んだのは、母が薬剤師だったからです。母が薬剤師として働く姿を実際に自分の目で見たことはほとんどなかったものの、風邪を引いたときに『この薬がいいよ』と母に教えてもらうなどするうちに、自分自身にとっても役立つ身近な仕事と感じたことから、薬剤師に興味を持つようになったんです」

  • 充実した社内制度をいかし、理想とする薬剤師をめざす

    • 就職活動時には、病院に勤めるのか、それとも調剤薬局に勤めるかの二択で迷ったと打ち明けてくれましたが、より患者さんに近いところで、地域に暮らす患者さんに寄り添う仕事ができるはずと考え、調剤薬局への就職を決めたと言います。

      湊 「総合メディカルでは調剤薬局に勤めつつ、『専門薬剤師』としてキャリアを積むことができるのも大きな魅力でした。薬局を運営していくためには、店舗経営やマネジメント業務も欠かすことができない重要な仕事です。

      しかし私としては、薬剤師としての専門性を高めつつ、あくまでも患者さんのサポートを中心にやっていきたいため、それをかなえられる環境や制度がととのっていることも決め手になりましたね」

    • ※ 専門薬剤師:「社内認定専門薬剤師制度」にて認定される役職のこと。昇格・昇給を伴う、総合メディカル独自の人事制度の一つ。さらに、湊さんがこの会社で働く魅力として挙げたのは、充実した教育制度です

      湊 「『ブラザーシスター制度』とは、新入社員に相談役となる先輩社員をつけてくれる制度です。私の場合は、同じ店舗の前年入社の社員の方が担当してくれました。わからないことや困ったときなど近くに気軽に相談できる存在がいるのは、心強かったです。

      またこの制度では、月に1回の親睦会費の支給もあり、先輩と一緒に食事をしながら、悩みを聞いてもらったり相談したりすることもでき、とても貴重な機会と関係性でした」


    • その後、自身も後輩社員の相談役を務めた湊さん。後輩社員に相談される立場として、自分が先輩にしてもらったことを少しでも還せるように心がけたと振り返ります。

      湊 「どんなことでも気軽に話してもらえるように、私から積極的に話をするなど、話しやすい雰囲気を作るようにしました。相談する側からされる側に立場が変わったことで気づくことも多く、私にとっても大きな学びの機会となりました」

  • 周りからのサポートを受けつつ、一つひとつ丁寧に向き合った学術発表

    • そんな湊さんが、通常業務に加えて担当したのが、社内での学術発表会「ファーマシーフォーラム」での発表でした。発表のための調査をはじめたのが2020年4月。約半年間の調査期間を経て、結果をまとめるのに1年ほど。さらに発表の準備に半年ほどかかりました。

      湊 「ちょうど入社して1年が経ったころですね。社内の『ファーマシーフォーラム』に出るということで、新倉敷店として何か新しい取り組みを行い、その成果を発表しようということになったんです。当時、私が一番歳下で、まだ担当する業務が少なめだったこともあり、思い切ってやってみることにしました」

    • 「応需先が消化器科病院である新倉敷店でできることは?」と考え、導き出されたのが「ピロリ菌の除菌治療」に関する取り組みでした。

      ピロリ菌の除菌治療は、通常、除菌薬を1週間服用し、その約2カ月後にきちんと除菌できているかどうか、検査によって確かめます。とくに自覚症状などがない患者さんも多いため、長期間におよぶ治療をきちんと続けてもらえるように、治療期間中3回のお電話で患者さんをフォローアップしました。

      湊 「取り組みを始める前には、宮本薬局長と一緒に応需先病院の薬剤部を訪問し、取り組みの方針について相談させていただきました。それにより、病院との連携もスムーズに行えました。実際の取り組みは、新倉敷店の薬剤師全員に協力してもらい、多くの患者さんの治療をサポートすることができました。

      知識や経験が少ないのはもちろん、このような取り組みを行うための計画を立てることさえも初めて。何もかもが未経験づくしのなか、通常業務を行いながら進めていくのは、正直なところ大変に感じることもありました。あらためて振り返ってみても、新倉敷店の薬剤師の方々をはじめ、皆さまのサポートがあったからこその受賞であり、自分一人だけでは到底たどり着けなかったことと思います」

    • 来たるべき学術発表に向け、一つずつ取り組みを進めていった湊さん。新倉敷店で一緒に働く薬剤師をはじめ、薬局長、応需先の薬剤部の方々、さらには本社の学術情報部の方も、湊さんの真摯な取り組みをサポートしたと言います。

      湊 「『ファーマシーフォーラム』やその後の『日本薬局学会学術総会』の発表準備にあたっては、新倉敷店の専門薬剤師の先輩や学術情報部の先輩にもお世話になりました。どうすれば聞き手に伝わりやすくなるのか?発表のスライドから原稿まで細かく指導してもらったことで、安心して発表当日を迎えることができました」

    • ※ 学術情報部:薬局や薬剤師の学術的な能力を発揮できる場を拡げるための部署。現場で働く薬剤師が、学術発表をする際のフォローも行っている

      患者さんも取り組みを好意的にとらえてくださり、たくさんの感謝の言葉をいただけたことも大きな励みとなりました。

      湊 「患者さんから『電話をかけてきてくれてありがとう』と言ってもらえると嬉しかったですね。また、この取り組みを通じて、患者さんから直接ご相談をいただける機会も増えたと感じています」

    • 発表のための取り組みとしてはじまった「ピロリ菌除菌治療のサポート」は今も引き続き行われており、さらに発表を通じて取り組みを知った他の店舗でも実施されるなど、いっそうの広がりをみせています。

  • 「やりたいことに挑戦できる環境」だからこそ、前向きに進んでいける

    • 入社から4年足らずで、日本薬局学会学術総会の最優秀賞受賞という、大きな成果をあげた湊さん。また、学生時代から興味のあった在宅訪問を担当するなど、着実に成長することができたのは、周りの人たちに恵まれ、さらにはやりたいことに積極的にチャレンジできる環境があるからだと語ります。

      湊 「入社2年目からスタートした在宅訪問も、今では週に1〜2回、複数の患者さんのご自宅に伺うようになっています。『お薬を飲んでどうですか?』と薬に関するサポートが中心ですが、生活のお困りごとにもできるかぎり対応します。

      たとえば、尿もれにお困りの方には、ケアマネージャーさんなどと相談した上で、薬局の紙パンツをお届け。一緒に履き方の練習もしました。患者さんに寄り添うサポートを行うことで、患者さんの安心感につながればと思っています」

    • また、興味がある専門分野について、社内の「薬剤師階層別OJT教育システム」を活用し、学ぶことができるのも大きいと語る湊さん。

      湊 「専門薬剤師をはじめ、薬剤師としてステップアップしていくためには、多くの研修を受ける必要がありますが、いずれも通常業務と並行しながら、業務時間内に受講することができるので助かっています。社内の教育システムを活用し、興味のある分野の研修を受けることができるのは、とても魅力的なことですね。新倉敷店には、がんの患者さんもみえるので、今はがんについての研修を受けているところです」

    • 総合メディカルでは、年次や役職に応じた研修だけでなく、自身のキャリアビジョンに合わせて研修を選択し、受講することができるのも魅力の一つです。

      自分が理想とする薬剤師にはまだまだ遠いと言いつつも、一歩ずつ確実に前に進んでいる湊さん。これからも患者さんに真摯に向き合いながら、新たな挑戦を続けていくことでしょう。

      ※ 記載内容は2023年5月時点のものです