多くの出会いに支えられ、外来がん治療専門薬剤師を目指し一直線に突き進む

Taguchi Eri
2020年入社 #外来がん治療専門薬剤師育成プログラム #就職活動のポイント

神奈川県内の薬局で勤務する田口 絵梨さんは、外来がん治療専門薬剤師を目指して総合メディカル株式会社(以下、総合メディカル)に入社しました。2023年2月現在は「外来がん治療専門薬剤師育成プログラム」の第2期生として、着実にステップアップを重ねています。がん患者さんへ向き合う熱い想いを、田口さんが語ります。

  • 外来治療に移るがん患者さんの不安な気持ちを支えられる薬剤師になりたい

    • 田口さんは2020年に新卒で総合メディカルに入社し、そうごう薬局 伊勢原店で薬剤師として勤務しています。1日230件ほどに及ぶ処方箋のほとんどが総合病院の患者さんのものであり、10名の薬剤師スタッフと5名の薬局事務スタッフで対応しています。

      田口 「薬局での業務の中で、私は抗がん薬による外来化学療法を受けている患者さんに対するフォローアップに力を入れています。患者さんは病院の中でどのように過ごされているのかを知るために、連携先である総合病院の薬剤部に見学に行きました。その後は、2カ月に1回ほど病院薬剤部のがんチームとの連携会議を実施しているところです」

    • 外科や血液内科で治療をされているがん患者さんは、病院で化学療法を受けた後、処方せんを持って薬局に来局されます。かかりつけ薬剤師として服薬指導や悩みをお聴きし、来局されてから1週間後には、副作用は出ていないか、何か困ったことはないかなど、フォローのための電話をかけています。可能な限り、患者さんの化学療法のスケジュールに合わせて対応できるよう、薬剤師の勤務シフトを組んでいるのも特徴的です。

      田口 「この薬局全体では、がん患者さんが年に330名ほど来局されており、そのうちの約100名の方を私が担当しています。担当している患者さんが来局されるのは日によって3名から10名ほどまでバラツキはありますが、その方の体調によっては点滴が延期になるケースもあるので、来局されないときは何か起きたかもしれないと考えて、その後はとくに注意しながら対応していますね」

    • 田口さんが初めてがん患者さんへの関わりを意識したのは、大学5年生で経験した病院実務実習のとき。がん専門薬剤師の資格を有する先生のもとで、入院しているがん患者さんと話したことが、記憶に大きく残りました。

      田口 「その患者さんは、入院中は医療スタッフがいつも近くにいるから何が起きても大丈夫だけれど、退院して家に帰ったら誰に頼ればいいかわからなくて不安だとおっしゃっていました。そうであれば、私が日常の中で患者さんに頼りにしてもらえる存在になりたい、と思い至ったんです」

    • このことが大きなきっかけとなり、田口さんは外来がん治療において専門性を発揮し、日常生活も含めて患者さんを支えられる薬剤師になることを目標として就職活動を進めました。

  • 外来がん治療専門薬剤師育成プログラムの第2期生として、遠隔受講をスタート

    • がん治療に関する実績や研修制度を有する会社を探すところから就職活動をスタートした田口さん。総合メディカルとの出会いは、薬剤師のための合同説明会でした。

      田口 「採用担当の方からお話を聞き、総合メディカルで外来がん治療の第一人者として活躍している下川 友香理さんの存在を知りました。それ以来、下川さんは私の憧れの人であり続けています」

    • 下川さんは、総合メディカルの執行役員のひとり。そうごう薬局 天神中央店において「外来がん治療認定薬剤師」の資格を取得後、がん患者さんのための「がん対話カフェ」を開き、患者さん一人ひとりに真摯に向き合ってきました。また、店舗でがんチームを立ち上げ、多くの後進育成を進めていることも聞きました。患者さんの役に立つ人になりたいという田口さんが目指す薬剤師像と下川さんの姿が、ぴったりと重なったのです。下川さんは現在、学術情報部の部長として、また外来がん治療専門薬剤師として全社的な専門教育に携わるほか、日本臨床腫瘍薬学会の理事を務めるなど、活躍の幅を拡げています。

      ※外来がん治療認定薬剤師は日本臨床腫瘍薬学会が創設した外部認定資格であり、試験に合格することで認定を受けられます。要件として、介入事例の提出や薬剤師実務経験3年以上などがあります。外来がん治療認定薬剤師の認定を受けた薬剤師は、さらに上位資格である外来がん治療専門薬剤師を目指すことができます。

      田口 「私が働くのはここしかない!という決意で入社しましたが、外来がん治療認定薬剤師の資格を取るためには3年以上の実務経験が必要でした。そこで、まずできることは何かと考え、ほかの専門分野についての研修にも毎回手を挙げて参加しました」

    • 1年間でさまざまな専門分野を見た上で、やはり自分はがんと闘う患者さんに向き合いたいと確信したという田口さん。入社2年目の2021年には、「外来がん治療専門薬剤師育成プログラム」に自ら手を挙げ、第2期生として参加することになりました。

      田口 「プログラムは目的別にⅠ~Ⅲの3コースから選択可能です。まずは自店舗でがん患者さんのケアができるようになるためにプログラムⅡに参加して、がん患者さんへの関わり方のほか、フォーマットを用いた症例検討や病院との連携促進のためのトレーシングレポートの作成スキルなどを学びました。

      現在は資格取得を目指すプログラムⅠに移行し、自身の介入事例を報告書に書き起こすことを中心に取り組んでいます。介入事例の作成は、がん領域に関する知識やコミュニケーション能力、連携力などが必要になるため、事例作成を通じて外来がん治療認定薬剤師取得のために必要な知識やスキルを網羅的に習得できるのです。私は選択していませんが、プログラムⅢはがん治療に対する基礎知識をつけるコースです。現時点で抗がん薬の応需が少ない店舗であっても、希望すれば支援を受けることができます」

    • 研修は勤務としてシフト上で時間を確保してもらい、受講できるとのこと。実務を行いながらの受講がタフであることは間違いないはずですが、それを大変だと思ったことは一度もないと田口さんは語ります。

      田口 「すべては患者さんのためだと考えれば、多少疲れていてもやる気がわいてきます。努力したことは、必ず患者さんの後押しにつながるはずですから」

  • 外来がん治療専門薬剤師を目指す仲間との連帯感は、気持ちの大きな支えに

    • 外来がん治療専門薬剤師育成プログラムは、田口さんの憧れである下川さんと、同じく総合メディカルで外来がん治療専門薬剤師として活躍している本田 雅志さんが指導を行っています。

      田口 「プログラムに参加して下川さんと初めてお話できたときは、嬉しさと緊張とで心臓が爆発しそうでした。今では、とても気軽にいろいろなお話ができるようになりました!」

    • 入社2年目の頃は、月に1回のオンライン研修時に医師との連携ツールであるトレーシングレポートの提出と、どれくらい書くことができたかという意味でレポート作成数も報告していました。入社3年目となった現在は、外来がん治療専門薬剤師取得のために毎月1回、介入事例報告書を提出して添削を受けています。

      入社2年目の頃は、月に1回のオンライン研修時に医師との連携ツールであるトレーシングレポートの提出と、どれくらい書くことができたかという意味でレポート作成数も報告していました。入社3年目となった現在は、外来がん治療専門薬剤師取得のために毎月1回、介入事例報告書を提出して添削を受けています。

    • プログラムでは「UMU(ユーム)」というデジタルプラットフォームを使用しており、遠隔でもコミュニケーションを取りながらスムーズに学べる仕組みが構築されています。研修は1チーム3~5人の少人数制。手厚く、きめ細かな指導が行われています。

      田口 「これまでは自分の周りに外来がん治療専門薬剤師資格の取得を目指す方がいなかったので、正直なところ、1人では心が折れそうなときも何度かありました。けれどもこの遠隔プログラムに参加することで、多くの方とつながりを持つことができました。私のように新卒で入社した若手社員もいれば、社歴の長いベテランの方、短時間勤務やパート勤務の方など、受講者層は実にさまざまです。それぞれの場所で私と同じような志を持って患者さんのために頑張っている仲間がいることがわかる。そのことが、私の中ではとても大きな心の支えなんです」

    • 田口 「これまでは自分の周りに外来がん治療専門薬剤師資格の取得を目指す方がいなかったので、正直なところ、1人では心が折れそうなときも何度かありました。けれどもこの遠隔プログラムに参加することで、多くの方とつながりを持つことができました。私のように新卒で入社した若手社員もいれば、社歴の長いベテランの方、短時間勤務やパート勤務の方など、受講者層は実にさまざまです。それぞれの場所で私と同じような志を持って患者さんのために頑張っている仲間がいることがわかる。そのことが、私の中ではとても大きな心の支えなんです」

      田口 「外来がん治療専門薬剤師の資格取得のためのプログラムではありますが、がん患者さんだから、と区別することはないと学びました。また、スキルを身につけることで、がん患者さんだけでなく地域の薬局や病院の薬剤師など、大きな意味でいろいろな人とつながるきっかけにもなっていると実感しています」

  • 人との出会いから目標までの道が開けた今、さらにその後の夢も描けるように

    • 学生時代から目指していたがん患者さんとの関わりを、入社後3年の中で着実に実現してこられたのは、周囲の人に恵まれたことが大きいと田口さんは振り返ります。

      田口 「連携先の病院とのつながりを最初につくってくれたのは、現在も所属するそうごう薬局 伊勢原店の薬局長です。がんとは別の会議に出席した際、『うちの薬局でがんを学びたい社員がいる』と話をしてくれて、病院の薬剤部のがんチームとつなげてもらったんです。

      そこからは、本当に目まぐるしく連携が進み、学ぶ環境も変化しました。薬局長には、いつも背中を押してもらっています。また、私ががん患者さんに特化することを応援してくれる周りのスタッフの方々やブロック長には、本当に感謝しかありません」

    • 外来がん治療専門薬剤師への道に押し上げてくれたのが薬局長なら、上から引き揚げてくれているのが育成プログラムを支える下川さんと本田さんです。

      田口 「下川さんが、『私自身が直接助けられる患者さんは月に100人が限度だけれど、育成プログラムを経て育ってくれた人財が増えていけば、がんの患者さんがもっとたくさん助けられる』と言われていて。その想いに応えられるように、私も早くその一人になりたいと考えています。

      また、四苦八苦しながら進んでいる私を励ましてくれるのが本田さん。相談したことに対して、私が考えたことよりもっと先のことを予測し、的確にアドバイスしてくれます。信頼関係を持って学べる場を与えてもらったからにはもっともっと頑張りたいですね」

    • 学生時代から目指していた外来がん治療専門薬剤師への道を歩み始めた田口さんですが、その先にはさらなる目標が見え始めています。

      田口 「現在の伊勢原店でがん患者さんを支え続け、いつかは店舗が『専門医療機関連携薬局』の認定を取得できるように取り組みたいです。専門医療機関連携薬局は、より高度な薬学管理や、高い専門性が求められる特殊な調剤に対応することができる薬局として、都道府県から認定を受けるものです。現在の制度では、認定はがん分野のみですが、将来的にはがん以外の疾患に対しても同様の制度ができるのではないかと考えています。そのときに役立てるように、糖尿病など、がん以外の専門分野も学び、たくさんの領域を極めていきたいです」

    • それぞれの専門に進む薬剤師の仲間を増やし、「がん対話カフェ」のような患者さんと向き合う場を作っていきたいと希望を語る田口さん。患者さんのために何ができるのか常に考えている姿は、周囲を巻き込み、新しい潮流を作り出しています。