医療モールでの経験をもとに、自分の可能性を追求しています!

Saori Kon
2017年入社 #大型の医療モール店舗 #女性薬局長

薬剤師として患者応対に当たりながら、薬局長として店舗マネジメント業務をこなしている、総合メディカル株式会社(以下、総合メディカル)の近 沙央里さん。医療に従事する中で、薬剤師という枠にとらわれず、自分の役割を模索し続けています。医療モールの薬局長として得たものや今後の展望について、近さんが語ります。

  • 店舗スタッフ一丸となって、仕事ができる環境づくりをしたい

    • 近さんが働くそうごう薬局 トレッサ横浜店は、横浜市の郊外にある大型ショッピングセンター内の医療モールにあります。

      近 「医療モールに入っているのは、内科・外科、小児科、整形外科、眼科、ふたつの歯科、整骨院の7院。また、ショッピングセンター内の薬局という特性上、お買い物の途中に寄られる方も多いので、クリニックの診療時間に限らず、1日中途絶えることなく患者さんがいらっしゃいます」

    • 現在店舗に在籍している薬剤師は12名、医療事務が5名という大所帯です。近さんは新卒で入社して以来そうごう薬局 トレッサ横浜店で勤務してきました。

      近 「現在は、薬局長として薬局運営に関する届出書類の作成や、店舗スタッフの労務管理なども行わなければなりません。しかし、私としては患者さん応対を第一に考えているので、勤務時間内はほぼ患者さん応対に当たり、少し時間が取れそうなときを見計らって事務的な業務を片づけるようにしています」

    • 常に心掛けているのは、スタッフ全員が前向きに働けること。店舗スタッフの満足度は、そのまま患者さんの満足度へと直結していると近さんは考えています。

      近 「忙しくて働きっぱなしだとつい顔つきも険しくなってしまいがちですが、それだと薬の準備でお待ちいただいている患者さんの気持ちも穏やかでなくなってしまいますよね。スタッフが笑顔で働いていれば、その気持ちを患者さんにも還元できるはず。これは薬局長になってから心掛けていることです」

    • そのためには、働いている上で気になることを、薬局長に伝えやすい雰囲気づくりが大切だと考えている近さん。同店舗のスタッフには年上の先輩や新入社員もいますが、年齢や職歴に関係なく全員から対等なスタンスで気軽に話をしてもらうため、薬局長という肩書を感じさせないように接していると言います。

      近 「店舗のスタッフはみんな仲が良く、普段からコミュニケーションが取れていると感じています。2021年度、かかりつけ薬剤師の推進を目的とした店舗内施策では、スタッフ全員が積極的に意見を出し、一丸となって取り組む姿勢に感動しました」

  • 昇格試験へのチャレンジを通して、薬剤師としての視野が広がった

    • 近さんは両親や兄弟が医療関係職という家庭環境に育ち、自然と自身も医療に携わる職種を目指していたと振り返ります。また、薬剤師の道を選んで進学した一方で、心の中に持ち続けていたのは、自分なりの医療への関わり方があるのではないかという想いでした。

      近 「就職活動の際、薬局薬剤師だけに限らず医療への貢献が何かできないものかと、自分なりにずっと考えていました。総合メディカルは薬局勤務以外にも、採用や人財育成などの道を選ぶこともできると知ったことで、就職先として興味を持ちました。

      薬剤師の免許を持ちながら違う道に進んでいる方がいることをお聞きして、自分もたくさんの選択肢がある会社で働きたいと思えたんです」

    • 総合メディカルの新卒薬剤師は、薬局店舗で薬剤師として現場経験を積んだ後、薬局長などマネジメント職の道へ挑戦したり、専門薬剤師としてキャリアを積んだりすることが可能です。また、薬局現場以外で活躍できるフィールドも非常に多岐にわたります。

      近 「働き始めて4年目のころ、当時の上司に『薬局長をやってみたらどうか』と声を掛けてもらいました。私としても、薬局長へのキャリアアップにはとても意欲があったので、マネジメント研修を受講しました。そして、5年目のころに無事合格し、そうごう薬局 トレッサ横浜店の薬局長に着任できました」

    • マネジメント研修とは マネジメントスキルの基礎を学ぶ研修と、薬局長への昇格試験が組み合わさった研修です。

      薬局長を目指す薬剤師は、このマネジメント研修を受講し、すべての研修修了後に昇格試験を受験します。その内容は、マネジメントに対する考え方を深めるために関連書籍を読みレポートにまとめるほか、薬局での実際の業務に直結したPDCAを組むなど、マネジメントに特化しています。研修ごとに課題があり大変だったと近さんは振り返ります。

      近 「研修が終わるとすぐに課題に取り掛かりたいのですが、店舗に戻れば非常に忙しい状況なので、患者さんの対応を優先して課題は後回しという状況が1~2カ月ほど続きました。なかなかハードでしたが、薬剤師業務以外のマネジメント部分に視野を広げることができたのは、本当に自分のためになったな、と実感しています」

    • 総合メディカルではマネジメント力を高める研修だけでなく、専門薬剤師として社内認定専門薬剤師制度、ビジネススキルなどの社会人力を高める研修など、自分の目的に合わせてキャリアアップを図れるようになっています。

      近 「がんや在宅など自分の興味関心のある専門性を磨くこともできますし、特化せずにさまざまな患者さんの対応を続けることも可能。自分で選択できるからこそ、真剣に自分のキャリアを考える機会になると感じました」

  • 医療モール勤務で培った連携力が、薬剤師としての確かな自信に

    • 医療業界で薬剤師を超えた関わり方をしてみたいという想いは、今でも持ち続けていると言う近さん。いつかは育休を取得して仕事を休む期間があることを想定すると、それまでには何かしらのキャリアを積んでおきたいと考えていました。

      近 「薬局長になったことが、まずその第一歩。マネジメント研修では、薬剤師の資格を持った方が人財育成担当者として講師をされているのを目にして、そういう道があることを知るきっかけにもなりました」

    • 一方、5年にわたる医療モールでの勤務を通して、薬剤師としての手ごたえはすでに大きく感じています。

      トレッサ横浜店は、買い物帰りに来局される患者さんも多いので 医療モール内のクリニックだけではなく、近隣の大学病院や総合病院などの幅広い診療科の処方箋を応需しています。

      近 「この店舗は本当にさまざまな病院の処方箋を扱うので、薬剤師としての知識や経験をつける場としては最適なのではないでしょうか。がんや透析治療など、高度な知識が必要な薬剤や病態についても幅広い知識が身につきました。また、近隣クリニックとの医薬連携が非常に活発であることが、医療モールの強みの一つだと思っています」

    • 総合メディカルが医師の開業支援として医療モールづくりも行っていることから、そうごう薬局とクリニックとの関係性は良好です。薬局とクリニック間で患者さん情報を共有し、薬剤師から医師へ処方提案をする際は、直接クリニックへ出向いて医師から話を聞くこともできます。新型コロナウイルス感染症が拡大した際には、薬局店舗の責任者として、感染対策案について医師たちと協議することもありました。

      近 「医療モールの店舗で働いている経験があるからこそ、薬剤師としての自信が生まれたと思います。これも日々、医薬連携ができる環境で常に医師と話す機会があったからだと感じています。3年目からは他店舗へ応援に行く機会もあり、その際、医師から処方薬に対して意見を求められたときに、臆することなく対応ができたことに自分でも驚きました」

  • 医療モールの薬局長として経験を重ねながら、キャリアステップを考える

    • 現在は薬局長として奮闘中のため、今後のキャリアビジョンについては、まだまだわからないことだらけだと感じている近さん。

      近 「薬局長になりたてのころは、役所への提出書類の書き方などが全くわからなかったので、仲の良い薬局長の先輩にたくさん質問して教えてもらいました。こちらから助けてくださいというアクションを起こせば、優しくフォローしてもらえるのでとてもありがたいです。もう少ししたら、今度は新任薬局長研修にも参加予定です」

    • 薬局長として日々の努力を惜しまない近さん。患者さん対応の中で、やりたいことは着実に広がっています。

      近 「単純ですが、患者さんに笑顔で話しかけていただけると、とても嬉しいんです。その反面、患者さんの治療に対するお気持ちや治療方針については、まだまだ把握できていないことが多いのを痛感します。

      どんな患者さんから相談を受けたとしても、薬剤師としてもっと深く関われるようになるには、今後その疾患に対して専門を突き詰めていくことも選択肢の一つかもしれません。このまま薬剤師として働き続ける上ではマネジメント力だけでなく、何らかの専門性を持つことが自分の強みになると思います」

    • 今後は、薬局長としてだけでなく専門薬剤師としてのキャリアも考えている近さん。医療モール店舗での薬局長経験を経て医薬連携ができる環境の大切さ、そして人財育成についても興味が広がりました。一つの職種で完結するのではなく、いくつかの知識や技術を持ち合わせることで、違うキャリアに結びついていくと考えています。

      近 「薬剤師とは違う仕事の経験をたくさん積んだ上で、あらためて薬局の薬剤師として働くのもキャリアの選択として考えられると思っています。せっかくいろいろなキャリアを選択できる会社にいるので、臆さずチャレンジしていきたいと考えています」

    • 薬剤師として豊かな経験を積みながら、医療への関わり方を模索する近さん。キャリアを見据えるその瞳には、患者さんたちの姿が絶えず映っています。