社員がお互いの「らしさ」を認めあい、業務パフォーマンスを最大化できる組織をめざして

Itou Masanori
2003年入社 #健康経営 #ダイバーシティ推進 #シニアマネージャー

長く安心して働ける会社には、健康的に働ける環境とダイバーシティ(多様性)を受容できる環境が整っています。人事本部の伊藤 正徳さんは、「健康経営」と「ダイバーシティ推進」の中核機能を担う組織のシニアマネジャーとして、さまざまな施策に関わってきました。会社としての方針と実現に向けた活動について語ります。

  • 健康経営とダイバーシティ促進を担う部署のシニアマネジャーとして

    • 総合メディカルには、人事本部のグループとして健康応援グループとダイバーシティ推進グループがそれぞれ設置されています。

      伊藤 「健康応援グループは、健康経営を推進する実働部隊として社員への健康増進施策をおこなっていくことをミッションとする部署。また、ダイバーシティ推進グループは、女性活躍推進やダイバーシティ&インクルージョンに関する施策を、広範囲にスピード感をもって実行するための中核機能を担っています。

      健康経営とは、社員が働いていくうえでしっかりと健康が保たれた状態こそが生産性も高く、企業の将来の成長にも重要な要素となることから、経営戦略の一つとして会社が社員の健康増進に積極的に取り組むこと。ダイバーシティ&インクルージョンとは、多様な人財がもつ能力を最大限発揮できるよう機会を提供し支援することを指します。

      それぞれ別の部署ですが、『社員の豊かな人生を願い、社員とともに成長します。』という当社の社訓の一つを実践するための仕事をしています」

    • 健康経営の取り組みにおいては、優良な健康経営の取り組みが実践できている企業として、2019年から現在まで連続して健康経営優良法人の認定を受けています。

      ダイバーシティ推進の取り組みにおいては、2018年に女性活躍を推進する「えるぼし」認定で最高評価となる3段階目に認定。さらに、2019年に子育てサポート企業として「プラチナくるみん」、2022年10月には不妊治療と仕事の両立がしやすい職場である「プラチナくるみんプラス」認定を九州内の企業で初めて取得。2020年には、経済産業省が主催する令和元年度「新・ダイバーシティ経営企業100選」を受賞しています。

      伊藤 「このような認定は、社内外に当社の企業姿勢を知っていただくきっかけにもなりますし、認定を持っていることで今後の新たな支援制度の導入などの取り組みが進めやすくなるという効果もあると思います。

      しかし、認定はあくまでも結果にすぎず、取得を目的として活動しているわけではありません。社員がさまざまなライフステージにおいて、やりたい仕事を諦めることなく継続でき、当社の理念の中にあるように、価値の高い人生を歩んでいただくためのしっかりとした活躍の舞台をつくることが最も大切なんです」

  • 新設部署のシニアマネジャーとしてさまざまな社内課題にチャレンジ

    • 伊藤さんは、薬剤師として2003年に当社へ入社。調剤業務を経験した後、会社の成長にともなう採用強化のため採用部へ異動し、その後10年以上の採用部の経験のなかで、薬剤師に限らずさまざまな職種の採用に携わってきました。その後、新たな活躍の場として、2016年にシニアマネジャーへの昇格とともに、創設3年目の健康応援グループに異動します。

      伊藤 「当時から、健康応援グループでは社員の健康増進のための取り組みに力を入れていたのですが、社内には十分に認知されていなかったように記憶しています。そこで、まずは健康応援グループという部署がどのような活動をおこない、どんなときに支援できるのかということをマネジメント職を含め社員に伝えていくことから始めました」

    • 折しも経産省で健康経営の推進が始まったころであり、各企業でも健康経営の考え方が浸透し始めていました。その機運を受けて、健康応援グループの活動の幅が広がっていきます。さらに2017年には、ダイバーシティ推進グループが人事本部内に新設されました。

      伊藤 「企業としてのダイバーシティ推進は、部署の新設より少し前から始まっていました。2015年に社内のダイバーシティを進めるために組織横断のプロジェクトが立ち上がり、女性活躍やシニア活躍、障がい者雇用などをテーマに議論がなされていました。

      そのプロジェクトでまとまった方針をもとに、社内でよりスピード感をもって実行するための専任の部署として2017年にダイバーシティ推進グループが新設され、管理職として私が着任したという経緯です」

    • 伊藤 「企業としてのダイバーシティ推進は、部署の新設より少し前から始まっていました。2015年に社内のダイバーシティを進めるために組織横断のプロジェクトが立ち上がり、女性活躍やシニア活躍、障がい者雇用などをテーマに議論がなされていました。

      そのプロジェクトでまとまった方針をもとに、社内でよりスピード感をもって実行するための専任の部署として2017年にダイバーシティ推進グループが新設され、管理職として私が着任したという経緯です」

      伊藤 「会社組織が大きくなるにしたがって社員の関係性が徐々に変化し、経営に携わるような立場の役職者と、お客さんや患者さんに対応する最前線の社員との対話の機会が減っているように思います。

      『言わなくても伝わるだろう』という以前の考え方は今後は通用しませんし、一方的に伝えるような方法では十分な理念浸透は図れません。双方向の対話を意識的に増やしていかなければならないという思いから、昨年から社長と若年層の社員との対話会なども実施しています。

      まずは、垣根の生じない組織づくりに邁進しているところです」

  • さまざまな施策の成果は、年に1度のエンゲージメントサーベイで分析

    • 伊藤さんが最重要課題としている社内制度周知のための施策として、上司が部下をしっかりとフォローすることを目的とした管理職向けの教育や、年に1回テーマを変えながらおこなう全社員を対象としたダイバーシティ推進のeラーニングなども実施しています。

      伊藤 「ダイバーシティ&インクルージョンを進めていくためには、社員の意識変容がとても重要なカギです。さまざまな社員教育を通じて、相手の『らしさ』を尊重する考え方がかなり浸透してきたと感じています。

      そのようなダイバーシティ&インクルージョンのリテラシーを高めていくことは、すぐ完了する話ではありません。常に繰り返し継続していくことが重要で、全社員が当事者意識をもって学び続けることで社員一人ひとりが働きやすい職場になるのではないかと思っています」

    • これからの会社は、社員の満足度だけ注目するのではなく、社員と会社の歯車がかみ合い、お互いがウィンウィンの状態、いわゆるエンゲージメントが高い状態かどうかに注目することが重要であり、年に1回実施するエンゲージメントサーベイにより組織の状態を数値化していると言います。

      伊藤 「エンゲージメントサーベイを昨年度より実施して、職場の状態を数値で見えるようにしました。その結果をもとに、さらに会社の状態を良くしていくためにどのようなことが必要かを職場単位で考えるような機会を設けています。

      エンゲージメントの向上は社員のみならず、社長をはじめ経営陣も意識をもっており、社長と社員の対話会が定期的に開催されるなど、社員と経営陣が直接対話する機会が増えました」

    • また、総合メディカルグループは2021年度、「SOGO Lively PLAN 2026」というダイバーシティ推進計画を打ち出し、より計画的にダイバーシティ&インクルージョンを推し進めています。

      伊藤 「当社は、『より多様性がいきる企業になる』という社長のメッセージとともに、2026年3月までのダイバーシティ推進計画『SOGO Lively PLAN 2026』を策定しました。今後のダイバーシティ推進に関する当社の方針を再周知し、注力して取り組む項目として2点打ち出しています。

      1点目は、女性管理職比率や有給取得率など各種の目標値を定め、多様な人財一人ひとりの能力発揮を支える働き方と意識の土台づくり。2点目は、性別や障がいなどの属性や役職に対する固定観念・先入観の解消です」

    • 2026年までの期間は、この2点についての具体的な施策を継続していく予定です。

      伊藤 「ワークライフバランス、業務効率化など働き方改革の観点から継続して有給休暇の取得促進、時間外労働抑制の取り組みを進めています。

      また、女性管理職比率の向上をめざして、リーダー候補の女性社員に対してキャリア形成上の課題解決を援助して個人の成長を支えるとともに、職場内での悩みや問題解決をサポートする役割として直属ではない経験豊富な管理職をマッチングさせて数カ月に1度の面談を行うメンター制度も導入しました。

      今後も性別などにとらわれることなくチャレンジできる職場をめざして新しい施策を企画・実行していきます」

  • 時代とともに変化する価値観に合わせた働き方を、探求し続けていく

    • 医療を支える社員が集まる総合メディカルでは、自身の専門性を高めるため、入社後長期に渡り活躍することを望む社員がほとんどです。

      伊藤 「結婚や出産などの環境変化があるなかで、仕事へ前向きにチャレンジし続けたいという意欲を持続するには、個人の努力や自己研鑽だけではかなわない部分があります。チャレンジできる環境こそ、雇用する会社側が整えていくことが大切です。

      また、時代とともに価値観や働き方は常に変化していますし、個人の状況も考え方も、ただ傍観しているだけでは理解が進みません。そういった意味では、しっかりと社員の声を聞きながら、社員一人ひとりが活躍できるために必要な支援策はどのようなものか、どういう環境を整備すれば良いのかを考え続けることが重要ですね」

    • そんな伊藤さん自身は、健康応援グループとダイバーシティ推進グループを兼務するシニアマネジャーとして今後の夢があると言います。

      伊藤 「社員を大事にする企業文化をもつ当社で、健康経営やダイバーシティ推進に関われることは責任を感じるとともにやりがいを感じています。

      社員に『健康は大事ですよ』『多様性をいかしていきましょう』と呼びかける立場なので、自分も健康意識や価値観については、社員の見本となれるように高い意識をもって働かなければという気持ちが生まれました。健康経営もダイバーシティ推進も当社の『わたしたちの誓い』に掲げる『わたしたちは、この一度しかない、かけがえのない人生を価値高く生きます』ということの実践だと思っています。

      入社後、人事関連の部署で長く働いてきたこともあり社内の多くの社員と接してきました。年々当社グループの社員は増えてきています。当社で働いていることを社員はもちろんのこと、社員の家族も誇っていただけるような、誰から見ても良い会社、素敵で魅力的な会社にさらに進化させていきたいです」

    • 健康経営もダイバーシティの推進も、継続が重要と語る伊藤さん。会社の成長や世の中の流れに柔軟に合わせ、常に社員が安心して働き続けられるような職場環境づくりの水先案内人としての役目を今後も担っていきます。