薬剤師の仕事は調剤のみならず。業務内容を広く伝えることも大切なミッション
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▲そうごう薬局 渡瀬店での本田さん
父の影響で医療の道へ。患者さんの「身近な存在」になりたくて薬剤師に-
本田 「化学は『目に見えないようで、実は見えている』といった、とても小さな世界の話ですが、それを具現化できることに魅力を感じて化学が好きになりましたね。今の仕事に通ずる部分もあり、勉強を重ねるうちに『医師や看護師よりも薬剤師になりたい』という想いが募っていきました」
その後、薬剤師として働くことを見据え、より臨床に近い研究をしたいという想いから大学では薬物治療学研究室に所属。
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本田 「化学合成にも関心がありましたが、この頃からすでに患者さんとの距離が近い調剤薬局で薬剤師として働くことに興味があったので、薬物治療学を選択。臨床を経験し、常に患者さんの身近な存在でいられることを考えると『やはり、私には薬剤師が合っている』と思い至りましたね」
勉学以外では、在学中の6年にわたって小、中、高校生向けの塾講師のアルバイトに励んだ本田さん。これまで勉強してきたことを生かしつつ、教える内容は同様でも、生徒一人ひとりに合わせた説明方法を考えたと言います。現在も患者さんごとにコミュニケーションの手段を変えており、これは過去の経験が今に活きていることのひとつです。
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▲そうごう薬局 渡瀬店 店舗外観
薬局勤務だけでなく、薬剤師の活躍多様な将来を選べることが入社の決め手-
本田 「総合メディカルは、調剤薬局に勤務するだけでなく、その先に本社で医師の支援や医療モールづくりなど、医療を提供するだけでなく、医療を支える側として勤務することができます。
こういった、薬剤師の視点を生かしたの活躍の幅広さが魅力でした。これが入社を決めた最大の理由です。面接の際には、面接官が緊張をほぐしてくれ、履歴書にしっかりと目を通し、内容も掘り下げて聞いてくれました。なじめる雰囲気を作ってくれて『私の人柄を見てくれている』と実感できたのも大きかったです」現在の主な業務は、処方薬の鑑査、患者さんへの薬の説明、服用・副作用などの確認などですが、それにともなう医薬品の在庫管理も担当。
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本田 「薬剤がどれだけ減ったら発注するか、店舗の在庫を管理しています。また、しばらく処方の無い薬や、値段の高い薬は、勤務先の店舗に残していても無駄になってしまう。そんなときは他店舗に引き取り依頼をするなど、医薬品を無駄にしないようにしています」
医薬品の適正使用・管理によって患者様へ安心感を提供するのも薬剤師の大切なひとつの職能です。
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本田 「後輩の指導も行っていて、ここでは相談しやすい雰囲気づくりを心がけています。何かに困っていると察したら早めに声をかけ、相談事を受けたらすぐにフォロー。患者さん応対のアドバイスもします。さらに今は、ファーマシーフォーラムの準備を進めているのです」
ファーマシーフォーラムとは、そうごう薬局グループが年に1回開催する学術発表会のこと。そうごう薬局グループでの取り組みの成果を社内外に発表し、学術研究へ貢献することを目的としています。
そこで本田さんのチームが発表するのは「酸化マグネシウム錠における、腎機能への影響について」。便通を改善する効果がありながらも、服用を続けると腎機能が悪化するリスクがあります。酸化マグネシウム錠の処方が多い近隣のそうごう薬局10店舗が互いに協力して、患者さんのマグネシウム値を調査しています。 -
本田 「検査値が上がると体に良くないので、発見したら病院や医師に報告しつつ、薬局でもデータ化する取り組みを始めました。およそ3カ月かけた集計期間が終わり、発表に向けて準備を進めているところです」
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▲店舗スタッフとの打ち合わせの様子
患者さんの気持ちに寄り添いたい。悩みを解決できたのは同期の支え-
本田 「患者さんは病気やけがで苦しんでいるのに、病院の診察で待ち、薬局でも待つ、つらいお気持ちをお察しします。ときには感情的になる方もいらっしゃいますが、各場面での柔軟な判断力や、いかに患者さんに寄り添うことができるか、が問われる仕事だと実感しますね」
以前は謝ることが多かったのですが、3年目の今は患者さんの話に耳を傾けながら、お待たせしている理由を伝え、寄り添うことができるようになりました。待合室にいらっしゃる患者さんへ共感できるようになったことが大きな変化です。
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本田 「こうした苦労は同期と支え合って乗り越えました。悩みを共有しあうことで、みんなも同じ状況だということが分かりました。同期の仲が良くて、たくさん話すうちに、『やるしかない』と切り替えられるようになったと思います」
総合メディカルには現在約750の薬局があり、毎年多くの新卒社員を採用しています。本田さんが入社した年も約270人が入社し、同じブロックには同期が10人弱勤務。互いに家が近いことから顔を合わせる頻度も高いといいます。同期が多く、仲が良いことも強みであり、すばらしい仲間に恵まれたと続けます。
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本田「入社して最も成長したのは、処方せんを見ただけで、患者さんの疾患や症状を予測できるようになったこと。大学でも国家試験に向けて薬剤の知識を蓄えましたが、実際に現場で働くことで、頭の中で整理できるスピードが格段に上がりました。
そして、薬の効果に感心すると同時に、患者さんの症状が改善し感謝していただいたときに、薬剤師として喜びが生まれモチベーションにつながっています」
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▲日々、医薬品知識を勉強中
医師でもなく、看護師でもなく、薬剤師にしかできない仕事を知ってほしい-
本田 「よく『薬を混ぜる仕事なの?』と聞かれることがあるのです。医師や看護師の業務内容は誰もが知っているのに、薬剤師の働き方があまり理解されていないのは正直なところ悲しい。特に若い世代は病院や薬局に行かない人も多いと思うので、どうしてもイメージが湧かないですよね。
大学で6年かけて学び、国家試験を受け、薬剤師になるまでたくさん勉強しました。身につけた知識をもっと生かすために、薬剤師が何をしているか具体的な認知度が高くない現状を変えたいです。薬の専門家としてもっと薬剤師を頼っていただけたら、と思います」手段のひとつとして考えているのが、子ども向けの仕事体験イベント。将来、自分のように薬剤師を目指すきっかけになるかもしれませんし、業務内容を子どもとその家族に周知する機会も作れるからだと言います。
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本田 「今後の目標は、専門薬剤師になること。服薬指導をする中で『もっと知識を増やさないと』と思うようになりました。現在、注目している分野はがんと腎疾患です。
私の勤務先では、透析治療や抗がん剤治療を受けている患者さんが多く、そういった患者さんに薬を渡す機会が多いです。両者の知識を増やすことで、もっと患者さんに寄り添った話ができ、気づけることも増えます。専門の道は大変だけれども、絶対にやりがいにつながると考えます」入社当初は、中学時代に器楽合奏部の部長を務めたこともあり、店舗の薬剤師をまとめる薬局長を目指していました。しかし、患者様に服薬を指導する中で薬の知識が増え、同時に自らの知識不足を感じ、専門薬剤師の道に興味を持ち始めました。こうした働き方の幅広さも総合メディカルならではのメリットです。
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本田 「専門薬剤師を目指す準備はこれからですが、社内には対面はもちろん、ウェブを利用した研修ツールが充実しているので、どんどん受講していきたいと思います。知識を身につけることで、患者さんからの信頼を得て、相談しやすい、何でも話したくなるような薬剤師になりたいですね」
総合メディカルは風通しの良さが魅力だと語る本田さん。上長に意見を伝えやすく、先輩や同僚も面倒見がいい。だからこそスタッフ同士が協力し合える体制が築けている中で、薬剤師として自由に成長できる点にも注目してほしい。それが患者さんに提供する医療の質につながる、という本田さんの今後の活躍から目が離せません。
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